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どっかで聴いた話 Act1
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もしかしたらとんでもなく先か、とんでもなく昔の話。
大きな大陸のとても高い山のふもとに
とても貧しい村がありました。

貧しいと言っても飢え苦しむような貧しさではありませんでした。
大きな町にあるような設備や乗り物などないにせよ、
村に住む人々は自分達の幸せを日々過ごしていました。

ある日、ある若者が山のふもとから黒く鈍く光る岩を見つけました。
彼はその岩を見つけて数日後に気分を悪くして寝込んでしまいました。
確認するために岩に向かった村人も皆同じように気分を悪くし、
中には血を吐くほど苦しんだものも居ました。
暫くたった後に大抵の者は回復しましたが、
数名は結局そのまま死んでしまいました。
そこで村では岩に決して近づいてはならないと言う掟を作ったのです。

何年か立ち、岩の時には子供だった者が大人になって来た頃。
村に新しく生まれた子供達に妙な事が起きていました。
生まれつき目の見えない子供、指が足りない子供、多い子供。
腕が無かったり、物を全く食べられない子供。
次々と生まれてくる"足りない子供達"
中にはすぐに死んでしまう子も居ました。

村は大きなお祭りをしたり、
牛や羊を焼いたりして神様に祈りました。
しかし、"足りない子供達"は一向に減りません。

そんな中、更に数年経った時。
"足りない子供達"が若者へとなりかけていたとき。
村に他の世界から人がやってきました。
男も、女も、中には老人もいました。

彼らは村の近くに漂着した人たちでした。
連絡もつけずに山の中を歩き回ってやっとこの村を見つけたのです。
村の人たちは当然自分達以外の人間を知りません。
しかも突然やって来た人間はどこも"足りなく"ないのです。

彼らは神様からの遣いとして丁重にもてなされました。
言葉の通じない彼らと村の人たちは
身振り手振りで互いに言葉を教えあい、
数日後には彼らは村の言葉が大体わかるようになっていました。

その後、村の人から事情を聞いた彼らは岩を調べる事にしました。
彼らは村では考えられないような技術と学術を身に付けていたのです。

その結果、その岩からは毒が発生しているとわかったのです。
そしてそれを調べた数人もやっぱりまた死んでしまいました。

死んでしまった人を埋葬するとき、村の子供がつぶやきました。

『ああ こんな――――――

 

 

 

 

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